片川前理事長からのご帰任のご挨拶

フランクフルト日本法人会の皆様へ

野村ホールディングス・ドイツ片川です。

このたび私儀社命により、野村フィリピン現地法人(所在、マニラ、マカティ市)に人事異動となりドイツを去ることになりました。

2006年8月に野村バンク・ドイツ現地法人の拠点長として着任してから9年間、当日本法人会の理事として様々な活動のお手伝いをして参りました。さらに2010年から5年という長い期間にわたり理事長という大役を務めさせていただきました。

6月末開催した臨時理事会において、理事長という責務は、これまで副理事長であったKuraray Europe GmbH社の黒木様にバトンをお渡しすることに決まりました。今後は黒木様をはじめとする新しい執行部に対して、これまで賜りました会員皆様のサポートが引き続きいただけますことを、心よりお願いする次第です。

小職の離任にあたって、日本法人会会員の皆様におかれましては、日本法人会の活動および理事会への厚い信任を頂けましたことに厚く御礼を申し上げます。

特に、2011年に開催した「日独150周年記念イベント」における多くの協賛金募集を頂けましたこと、また日本法人会の活動を活性化するために、社団の定款を逐次見直し改善を図ったことにより、日本企業以外の会員にも御賛同を頂き、財政面でも安定した状態に進展することができました。また同時にドイツ国内に存在する様々な協会組織、ドイツ政府機関、および経済諸団体とのコミュニケーションを活性化し、日本法人会をとおして日本企業の経済活動を間接的にサポートできるような交渉も重ねました。最後に、直近2年間では、会員企業で勤務する全ての日本人駐在員が当社団の活動が身近に感じられるよう広報およびホームページの改善を図って参りました。

終戦後驚異的なスピードで経済大国になった日本ですが、バブル経済後の低成長時代に入ってからは、企業だけでなく日本の様々な団体が、時代に応じた変化・変革を受け入れなければ次のステージには進めないない事は誰もが認識していると思います。一方で、長いデフレ経済を経て変化を恐れる保守的な体質が染みついてしまっていることも反省しなければいけません。

日本法人会という組織をとおして、日本が抱える課題を深く理解し、何をしなければいけないのか、また何ならできるのかを真摯に深く考える貴重な経験をさせていただけたことを改めて嬉しく感じております。

小職は、来8月から遠いマニラという街で、新しいビジネスを立ち上げる業務を始めますが、ドイツでご活躍を続けていかれる皆様におかれましては、海外生活でしか得られない「大きな果実」を目指して躍進される事を切に望んでおります。

2015年7月 片川弘一